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今回は、残業手当の請求に関する判例を紹介します(つづき)。
三 以上によると、被告には七時間を超える原告らの労働に対する時間外賃金の支払義務が生じたものといわなければならない。 各原告の所定労働日数は、昭和六二年度が年間二四三日、昭和六三年度が年間二四〇日であることは暦によって明らかであるから、その各所定労働時間は、昭和六二年度が年間一七〇一時間(したがって、月当たり一四一・七五時間)、昭和六三年度が年間一六八〇時間(したがって、月当たり一四〇時間)となる。そこで、各原告の時間外賃金単価は、次の算式によりそれぞれ別表(2)(略)の「一時間当たりの額(A)」欄記載のとおりとなる。 七時間から八時間までの法定内時間外賃金単価(Aの上段) =基礎賃金額÷(年間所定労働日数×一日所定労働時間÷一二) 八時間を超える時間外割増賃金(残業代)単価(Aの中段)=(Aの上段)×一・二五 深夜割増賃金(残業代)単価(Aの下段)=(Aの上段)×一・五 (右のうち、基礎賃金額は各原告につき当事者間に争いがない。) そこで,当該月の各原告の時間外賃金額は、それぞれ次の算式により別表(2)の「(C)」欄、「(D)」欄、「(E)」欄各記載の金額となる。 七時間から八時間までの法定内時間外賃金(C)=一時間当たりの額(A=上段)×時間外労働(残業)時間(B=上段) 八時間を超える時間外割増賃金(残業代)(D)=一時間当たりの額(A=中段)×時間外労働(残業)時間(B=中段) 深夜割増賃金(残業代)(E)=一時間当たりの額(A=中段)×時間外労働(残業)時間(B=下段) (右のうち、「時間外労働(残業)時間(B=中段)」及び「時間外労働(残業)時間(B=下段)」については、各原告につき別表(2)の各欄記載の数値であることが当事者間に争いがない。「時間外労働(残業)時間(B=上段)」については、〈証拠略〉及び原告鈴木克典、同高橋伸一各本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨によって、別表(2)の同欄記載の数値であることが認められる。) 四 時効の成否 1 被告は、本件訴状においては各原告の請求する時間外賃金が何年何月のものであるかが不明であり、各訴訟物が特定されていないから、訴状による時効中断効がない、各訴訟物が特定されたのは、原告らの平成元年七月一三日付け準備書面によってであると主張し、昭和六二年四月分ないし六月分の時間外賃金請求権は時効によって消滅したとして、これを援用している。 2 しかしながら、平成元年四月二六日提出にかかる本件訴状には、各原告について昭和六二年四月から平成元年四月までの時間外賃金として、それぞれ各年度毎に特定の金額の請求権があるとの主張が記載されており、原告らの本件請求はこれで特定されているということができる。したがって、本件訴状によって、本件請求中昭和六二年四月分ないし六月分の時間外賃金請求権についても時効の進行は中断されているものというべきであるから、被告の右主張は理由がない。 なお、企業の担当者で、残業代請求についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、不当解雇、保険会社との交通事故の示談交渉、刑事事件や多重債務(借金)の返済、遺言・相続の問題、オフィスや店舗の敷金返却(原状回復)などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。 PR |
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